●大和市は「当面静観」の姿勢
例の「ドカベン」問題について先日、神奈川県大和市に今後の対応の如何について訊いてみたところ、以下のような回答を頂戴した。
平成21年2月2日大和市長 大木 哲
時下、ますますご清祥のこととお喜び申しあげます。この度は、「市長への手紙」をお寄せいただき、ありがとうございました。
また、遠方より当市の野球場につきまして、お気遣いいただきお礼申しあげます。
さて、大和市引地台野球場につきましては、平成9年に施設改修工事を行った際に市民に親しまれる愛称を付けたいと考えたところ、漫画ドカベンが神奈川県を舞台とした高校野球の漫画であったことから、作者の水島新司氏の承諾を得て、愛称を「ドカベンスタジアム」とさせていただきました。
今回の新潟県立野球場の愛称の件につきましては、ドカベンの愛称を付けたいと署名運動をしている方々がいる一方で、ネーミングライツ(施設命名権)の手法を活用したいという動きもあると聞いております。
当市といたしましては、水島氏のご好意による名称使用の経緯を踏まえますと、現状におきましては、水島氏や新潟県に対して異議を申し出る状況ではないと考えており、今後の推移を見守って行きたいと思っております。
というわけで大和市側は現在のところ、「これまでの経緯を踏まえ、事が進展するまでは静観する」というスタンスのようである。市としては別にキレてはいないようで、とりあえずはひと安心といったところか。
しかし、先日Yahoo!等で行われたアンケートでは「ドカベン」に「賛成」とする意見が6割を占めつつも、県内の野球ファンからは「『ドカベン』は時代にそぐわない」「ダサい」等々の辛辣な意見も存外に多く、更に県外の野球ファンからも、首都圏を中心に「『ドカベン』を神奈川から強奪する気なのか」「『ドカベン』は新潟県と直接関係ないではないか」「二番煎じ」「パクり」等々、懸念していた通り、強い不快感を示す意見が寄せられているようだ。
近年建設された南長野運動公園野球場(長野オリンピックスタジアム)、松山中央公園野球場(坊っちゃんスタジアム)、秋田県立野球場(こまちスタジアム)などはいずれも県民・市民や全国を対象に、愛称案の一般公募やアンケートを実施した上で愛称を決定している。
ファンの声を一切聴く事無くして「『ドカベン』もしくは施設命名権のどちらか」の二択を迫っているも同然の今回の問題には、「はじめにドカベン在りき」もしくは「命名権ありき」という原理が根底にある。
こうして考えると、この問題に関しては県にしても競技団体や財界関係者にしても水島先生にしても、まるっきり御門違いな事をしているようにしか思えないのだ。議論がクローズドのままで、何をしているのかが全く解らない。納税者としてはやはり、この辺が解せない。
こうなってしまった以上、第三者や県民、さらには全国の野球ファンの意見を取り入れるなど、もっと開かれた形での議論を望みたい。もちろん、愛称公募なども含めての事だ(この期に及んで…、という感も否めなくはないけれど)。
もうひとつ。条例上の正式名称はもう決めてもいいのではないか。これに関しては仮称である「新潟県立野球場」をそのまま採用しても、何ら問題はない。
それにしても先週木曜の朝刊、「『ドカベン』有力に」と完全に浮き足立っている新潟日報と、「知事側・団体側双方の主張は平行線」とあくまで混迷を強調する全国5紙の県版との温度差の違いには、大爆笑させてもらった。日報は、完全に前述の「ドカベン在りき」の偏向的論調。それに対して全国紙は各紙とも当日のやり取りにおける牽制の応酬に加え、過去の経緯や問題点等々もクローズアップしており、論調も正論だった。ただスポニチ県版はここ数日、この問題については一切触れていない。既にセンバツ出場を決めている日本文理高など、高校球界への配慮からと思われる。
そんなわけで、引き続き傍観したい。
末筆ですが、大和市の大木市長、ご多忙のところ丁重なご回答を頂き、ありがとうございました。











