●4割以上が回送区間の路線バスがある
新潟交通は8日、路線バスの運賃値上げを発表した。同日付で国交省に運賃改定の申請を提出し、認可されれば12月1日より運賃が下記の通り値上げとなる(いずれも大人。こどもは半額)。
(1)市内均一区間: 180円 → 200円(2)その他の区間の初乗り運賃: 150円 → 160円
※尚、新潟駅・万代シテイ周辺の100円均一区間と、運賃400円以上の区間は据え置き
新潟交通の路線バスの運賃値上げは1997年11月以来、9年ぶり。値上げの理由として、近年の自家用車の普及と少子化による利用者の減少(ここ10年間で約3割減)、市街地の交通渋滞による輸送効率の低下、そして昨今の原油高による燃料費の負担増などを挙げている。今年度の乗合バス事業は約3億5000万円前後の赤字が見込まれている。また、交通は06年03月期決算の段階で約486億円の有利子負債を抱えている。
この値上げの発表を前後して、新潟市内のバスの運行体制に関する問題点について、県内のブロガーの皆さんがガブリ噛み付いた。
新潟のバス -ラジオ屋ふぐ日記3
新潟市のバス -散歩 ◆新潟市のあたり
新潟交通、バス運賃値上げ -I like people.
新潟のバス運賃12月に値上げ -新潟シモ町暮らし
新潟市中心部のバスはこうしたら? -Daa's Memo
中心部のバスの発着地がバラバラで分かりづらい、区間によってはバスが過密運行になっている、設備投資の不足―等々、新潟交通の路線バスに関する問題点には枚挙に全く暇が無いが、俺も問題点を見つけたので書置きしておく。
市中心部の万代シテイバスセンターから、県道1号新潟小須戸三条線(小須戸線)を経由して、県庁前などを通って信濃川の堤防沿いに南下する、通称「鳥屋野線」と呼ばれる区間には4系統の路線が運行されている。
かつては小須戸線経由の他に県道51号(笹出線)の系統や、白根の大郷を経由して小須戸に至る路線なども運行されていた。小須戸行は1985年から10年以上、急行バスとして運行されていたものの、これも利用者減で各停に格下げ。そんなこんなでこの鳥屋野線の系統は20年間で段階的に削減され、残ったのは4系統だけとなった。
中でも昨年4月、路線バスのリストラ改正が行われた際に最もとばっちりを受けたのが、新光町経由酒屋車庫行(220系統)だ。旧市域南端の両川地区に至る路線で、以前は20~80分間隔で運行されていたものの、利用者が大幅に減少。終点の酒屋車庫(花ノ牧)も同年の改正を機に南部営業所(亀田工業団地)に統合されて事実上廃止となった。現在酒屋止まりは平日3往復のみで、他は堤防上の小須戸線を経由する小須戸行だけ。今まで1時間に1本は走っていたバスが、現在では休日には最大3時間も運行間隔が開いてしまっている。
ただ、曽野木地区までは乗客の需要があるため、酒屋止まりだった路線を曽川止まりにして運行本数を維持している(210系統)。
かつては曽川バス停横の堤防下にバスの折返場があったが、90年代になると信濃川の治水工事のため堤防を嵩上げした際に進入路を廃止したため、バスが折り返せなくなった。このため、この区間の路線バスは酒屋車庫発着が中心となり、曽川止まりの系統は減便された。代替措置として曽川始発の京王団地経由古町行(現在で言うところの941系統)を運行して折り返させる措置を執っていた。逆も然りで、曽川始発でバスセンター前行を運行する場合は、バスセンター発京王団地経由曽川行などを運行して折り返す形になっていたのだ。
だが、昨年のリストラ改正でバスは大幅減便。酒屋発着のバスのほとんどが曽川で打ち切りとなってしまった。
で、本題はここからである。
この210系統・万代シテイバスセンター発 新光町経由 曽川行は、非常に無駄の多い路線なのだ。
バスセンター4番線を発ったバスは、小須戸線(県道1号)を一路南西へと下ってゆく。
県庁前を通り、
北陸道の ときめき橋をくぐり、
そして終点・曽川に到着。
ここまで運賃410円。距離にして9.1kmの道程である。普通に車で走ると所要時間は20分弱。
で、問題はここから。
曽川で客を降ろした銀バスはここからどうするのか、というと―
先に指摘した通り、ここには折返場が無い。元来た道を戻ることはできない。
で、バスは左へ曲がって県道2号(新潟寺泊線)に入り…
女池線と交差して…
亀田工業団地の南部営業所くんだりまでわざわざ回送しているのだ。
曽川バス停から6.3km、約12分の「空気バスの旅」である。
つまり新潟交通は9.1kmの路線バスを運行するがために、15.4kmもバスを漫然と走らせていることになる。総運行距離の4割以上を無駄な回送運行に充てている有様なのだ。
新潟交通は近年、合理化を進める過程に於いて市内外各所の営業所・車庫を閉鎖した上で不動産として売却。まとまった資金を回収して債務処理に充て、且つ固定資産税の負担を軽減している。
しかし一方、運行拠点を続々と整理し続けるがために、この210系統のように無駄な回送区間を増加させているのもまた事実なのだ。小須戸行(230系統)にしても23km走って終点の小須戸に着いた後、潟東営業所まで約10kmもの間を空車で走っている。
これだけではない。新潟交通は近年、市内中心部の運行拠点を次々と不動産として売却したため、中心部から郊外へ向かう路線バスや高速バスは全て東部営業所や南部営業所など、中心部から離れた拠点から回送しなければならなくなったのだ。その回送車の何と多いことか。営業運行している車両よりもむしろ「貸切」「回送」と書かれたバスの台数の方が多いほどだ。回送距離がどんどん伸びているのだから、会社全体の軽油の消費量は年々増えているはず。空のバスを漫然と走らせて人件費と燃料費を浪費するくらいなら、そのバスを回送している間に1人か2人でもいいから乗客を乗せてサービスを向上させるべきなのではないだろうか。ただただバスを回送するだけでは収入はゼロ。そこにお客を乗せれば、数百円ぽっちとはいえ収入を得られるではないか。
イニシャルコストをケチって不動産の売却益を得る一方で、こうして変な形で余計なランニングコストを費やして「すいません、赤字なんですけど」と運賃値上げの理由にしてしまう― この辺に新潟交通の危うさを感じてしまうのは俺だけだろうか。












Comments
いや~スゴイ論文ですな!
新潟交通は、読んだのだろうか?
Posted by: もうぞう September 15, 2006 (Fri) 20:19
はじめまして、MAKIKYUと申します。
ネットサーフィン中に偶然ページを見つけ、拝見させていただいています。
日本国内の路線バスはここ数年、殆ど値上げをしていない状況でしたが、ここ最近になって原油高も影響してか幾つかの会社が値上げを表明・実行しており、新潟交通もその1つですね。
こちらは新潟の者ではなく、新交も数度(今年になってからは内野→新潟の一度のみです)利用した程度であまり詳しい事は分りませんが、この記事を見ると確かに問題も色々ありそうですね。
ただ異常に回送距離が長い路線と言うのは、会社が走らせたくて…というよりは、国の補助金制度も影響しているかもしれませんので、会社ばかりは責められない気がします。(国の制度にも問題があり、海外だと路線バスで黒字になる事を前提としていない所もあります)
補助金制度も具体的な数値は覚えていませんが、欠損(赤字)補助の対象条件として運行本数や乗車人数が決められていたと記憶しています。
そのため乗客のあまり乗車しない時間を回送にして補助対象の本数(多すぎるとダメな様です)になるようにしたり、乗車人数が少な過ぎる区間を廃止(極端に少ない区間は補助が数年で打ち切られるので、廃線か代替バス)して路線を短縮したりと、苦心している様です。
*代替バス=一般の路線バスとしての営業は廃止し、その路線を「代替バス」として車両を借り上げて欠損を自治体が補償したり、自治体が自らバスを運行する(町営バス等)事です。
また最近は市町村がコミュニティバスとして路線を策定し、運行をバス会社などに委託する事も多いです。
Posted by: MAKIKYU September 16, 2006 (Sat) 00:00
両川地区には2系統の路線があります。1つは上記の県庁前経由の系統(酒屋止まりは土休日運休)、もう1つは亀田駅前経由の系統(全便土休日運休)で、いずれも市から補助金を得て運行を維持しています。国の補助対象になっているかどうかは不明ですが、いずれにしても市からは金が出ています。
市町村による代替バスは、県内でも既に実例があり、蒲原鉄道の一般路線バスは全路線を一旦廃止して、路線網・運賃はそのままという形で五泉・加茂両市の「貸切」という形に引き継がれて運行されていますし、新潟市白根地区の零細路線も04年12月に一旦全廃して、翌日からは白根市(当時)の循環バスに転換しました(新潟交通西の潟東営業所が受託)。この他市内では、赤塚地区と亀田地区で運行されている路線バス(各1路線)は、市の補助金と住民組織の出資により維持されています。
ただこの場合、並行している既存の路線バスと同じ位置に停留所を設置できないことや、如何せん委託ゆえ運行時間帯が限られるため、バスの運行本数が維持できず、終バスが極端に早いこと(事実、上記の代替バスはいずれも夕方までに運行をほとんど終了しており、平日のみ運行の路線も多い)、等々問題点もあります。
いずれにしても、「“客は乗せない”と言って空の回送車を走らせてんじゃねえよ。ちょっとは発想を換えろよ」という俺の考え方は、“商売”という面を考えれば出て当然だと思います。まあ、これもある意味素人考えなんでしょうけどね。
戦時統合の名残とはいえ、新潟交通のようにバス会社が一社独占になってしまった地域では、いろいろと弊害もあるようです。とはいえ複数のバス会社がある地域も、それはそれで問題を抱えているようですが。
Posted by: たむ1200 September 18, 2006 (Mon) 15:58
新潟駅南広場についてご意見聞かせて下さいm(_ _)m
Posted by: kocoron November 18, 2006 (Sat) 20:24
う~ん… 結局この四半世紀の間、南口側(特に西通路側)って、あんまり変わり映えしてないんですよねぇ。一体この先どうなるんでしょうか。
Posted by: たむ1200 November 30, 2006 (Thu) 17:39
この鳥屋野線、11月1日の改正から新潟駅前(万代口)発着、往復とも柾谷小路経由となりました。
で、問題の210系統は曽川止まりではなくなり、曽川から上記のルートを経由して天野一丁目(旧京王団地線・曽川バス停)-曽野木連絡所前-新天野-嘉木の順に停車しています。ですが、その先南部営業所まで回送するのは以前と同様。同日廃止となった京王団地線が停車していた新浦・丸潟では客扱いは行っていません。
この回送区間には江南区の区バス(曽野木ルート。亀田駅-江南区役所-イオン南SC-下早通-鍋潟新田-丸潟-曽野木ニュータウン-新潟市民病院)も運行されているものの現段階ではあくまで試験運行であり、また運行ルートも集落経由で大回りする経路となっています。ましてや収支もよくないとあっては、長期的な運行継続はそうそう期待できそうもありません。
それこそ、この210系統の回送区間を江南区の区バス区間にして、南部営業所・イオン南SC、もしくは江南区役所・亀田駅前まで運行すればいいようなもんなんですけどねぇ…。新潟交通にそういう発想が出てくる事を期待したいものですが。
Posted by: たむ1200 November 17, 2007 (Sat) 17:49